【この記事でわかること】
理科室の水道の勢いがやたら強い理由
理科室の水は飲まない方がよいこと

理系の大学を卒業しているのでこういう話は得意です!
学校の理科室って、水道の勢いがやたら強くありませんでしたか?
ちょっとひねるだけで蛇口から勢いよく水が出てきて、ずぶ濡れになった経験をした人も少なくないのではないでしょうか。
他の水道は普通なのに、理解室の水道だけ特別なのは不思議に思うかもしれませんが、これにはちゃんとした理由があります。
理科室の水道の勢いが強い理由

理科室の水道の勢いが強い理由は、大きく分けて2つあります。
- ゴム管をつけやすいように蛇口の先端を細くしているため
- 吸引ろ過器や冷却器を使うのに都合がよいため
蛇口の先端を細くしている
理科室の蛇口は、実験の都合で蛇口にゴム管やホースを取り付けて使うことが多いです。
普通の蛇口の形状ではゴム管などを取り付けづらいので、先端を細くすることで取り付けやすくしています。
通常の蛇口よりも細くなっている分、水が勢いよく出やすくなっています。

ちなみに、理科室の蛇口がデコボコした形をしているのは、ゴム管が簡単に抜けにくくするためです。
ただ細くするだけだと、使用中に簡単に抜けてしまいますからね。
吸引ろ過器や冷却器を使うのに都合がよい
理科の実験では吸引ろ過器や冷却器というものを使うことがあります。
吸引ろ過とは、容器の内側の気圧を下げて、高速でろ過する方法です。減圧ろ過ともいいます。
減圧するにはアスピレータ(水流ポンプ)という器具をつないで使用します。
アスピレータに水を流すと、瓶の中の空気がどんどん吸い出されて気圧が下がり、ろ過のスピードが上がる仕組みになっています。
このとき、水の勢いが強いほど空気がよく抜けるので、ろ過のスピードがアップします。。

吸引ろ過の仕組みは小中学校の理科で習ったことがあると思います
もう一つ、冷却器を使うとき、水の勢いが強いほうが効率よく冷却できるためです。
学校の理科でよく習うのはリービッヒ冷却器がありますが、これは下から上に水を流し、内管を通る気体や液体を冷やすものです。
水の流れが少ないと、冷却が間に合わないことがあるので、水の勢いが強いほうがいろいろと都合が良いのです。

最初から強すぎる勢いで水を流すと器具が破損する可能性があるので、最初はゆっくり流すのが基本です。
理科室の水道の注意点

余談になりますが、理科室の水道水って飲めるのか、気になったことはありませんか?
おそらく「飲まない方がよい」と考えている人が多いと思うのですが、理由はご存知でしょうか。
一言でいうと、中水が流れている場合があるからです。
「中水」は聞きなれないかもしれませんが、平たくいうとちょっと汚い水です。
上水はきれいな水で、下水は生活排水ですが、「上水と下水の中間」という意味で「中水」という言葉が使われています。
「工業用水」などと呼ばれることもありますが、とにかく飲むように浄化されていないので、絶対に飲まないようにしてください。

中水も一見してきれいな水なので、上水と見分けがつきません。
理科室でも上水が使われていることは多いと思いますが、見分けがつかない以上、決して飲まない方が良いです。
まとめ
理科室の水道の勢いが強い理由は次の通りです。
- ゴム管をつけやすいように蛇口の先端を細くしているため
- 吸引ろ過器や冷却器を使うのに都合がよいため
また、余談ですが、理科室の水道は中水が使われている可能性があるため、絶対に飲むのはやめましょう。

もし飲もうとしている人がいたら教えてあげてね!
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